アメフラシ Aplysia kurodai
作成者:鈴木雅大 作成日:2011年6月3日(2017年7月2日更新)
 
アメフラシ(雨降らし,雨虎)
Aplysia kurodai Baba, 1937
 
動物界(Kingdom Animalia),左右相称動物亜界(Subkingdom Bilateralia),旧口動物(前口動物)下界(Infrakingdom Protostomia),冠輪動物上門(Superphylum Lophotrochozoa),軟体動物門(Phylum Mollusca),腹足綱(Class Gastropoda),異鰓亜綱(Subclass Heterobranchia),後鰓下綱(Infraclass Opistoranchia),無楯目(Order Anaspidea),アメフラシ上科(Superfamily Aplysioidea),アメフラシ科(Family Aplysiidae),アメフラシ属(Genus Aplysia
 
撮影地:兵庫県 豊岡市 竹野町 大浦湾;撮影日:2016年12月26日;撮影者:鈴木雅大
 
撮影地:兵庫県 豊岡市 竹野町 大浦湾;撮影日:2015年5月8日;撮影者:鈴木雅大
 
撮影地:兵庫県 洲本市 由良(淡路島);撮影日:2017年6月23日;撮影者:鈴木雅大
 
撮影地:兵庫県 洲本市 由良(淡路島);撮影日:2016年6月4日;撮影者:鈴木雅大
 
撮影地:兵庫県 淡路市 大磯(淡路島);撮影日:2017年3月29日;撮影者:鈴木雅大
 
 アメフラシは,磯で頻繁に見かける生き物です。知らずに踏みつけていて,振り返ると水が紫色になっている事があります。これは刺激を受けたアメフラシが防御のために出す汁のせいなのですが,あまり気分の良いものではありません。アメフラシは体内に貝殻を持っており,背中を触ると堅い感触で分かります。海底を這うようにゆっくりと移動していますが,背中のひだを使って泳ぐことも知られています。ワカメを海面からロープで吊るしておいたところ,どこからともなく集まって来たアメフラシによってむしゃむしゃと食べられてしまったこともあります。いつか泳いでいるところを見てやろうと思っていますが,残念ながらYou Tubeの映像以外で泳ぐアメフラシを見たことはありません。
 
アメフラシの卵塊(撮影地:神奈川県 三浦市 三崎町 諸磯;撮影日:2011年5月18日;撮影者:鈴木雅大)
 
 これは著者の恩師 故吉崎 誠 先生(東邦大学名誉教授)から聞いた話です。師を信じておりますが,話の信憑性は保証しかねます。

 吉﨑先生が大学生だった頃,40年以上も前の話ですが,友人らと「アメフラシの卵をどうにかして食べよう!」という話で盛り上がり,試してみたのだそうです。アメフラシの卵塊は,見た目から「うみそうめん(海素麺)」と呼ばれていて,食べられそうに見えなくもないのですが,食べると腹を下すことが知られていました。しかし,吉﨑先生らは見た目がコノワタのようで美味しそうだという事で,1 cm,3 cm,5 cm…と切り分け,くじ引きで食べる大きさを決めて皆で食べてみたのだそうです。結果,全員が便所から出られなくなったそうですが,彼らはあきらめず,今度は湯通ししてから同様に食べてみたのだそうです。結果は全く変わりませんでした。ひどい目にあったものの,味は「大変美味」だったそうです。いつの世もおバカな若者はいるんだなあと感慨深いものがありました。真面目に考えると結構危ない事をやっていると思いますので,絶対に真似をしてはいけません。ただし,アメフラシ自身は食べられるそうで,中国地方では食用とするそうです。一部では卵も食べているそうなのですが, どのようにして調理しているかは分かりません。

 
参考文献
 
赤坂甲治 監修. 2016. 海の観察ガイド 三崎の砂泥の動物 [II]. 115 pp. 東京大学大学院理学系研究科附属三崎臨海実験所,神奈川.
 
Bouchet, P. 2015. Aplysia kurodai Baba, 1937. In: MolluscaBase (2015). Accessed through: World Register of Marine Species at http://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=568199 on 2015-06-01.
 
今原幸光 編著. 2013. フィールド版 写真でわかる磯の生き物図鑑. 279 pp. トンボ出版,大阪.
 
伊勢優史 執筆・撮影,赤坂甲治 監修. 2013. 三崎の磯の動物ガイド 第2版. 168 pp. 東京大学大学院理学系研究科附属三崎臨海実験所,神奈川.
 
奥谷喬司 編著. 1994. 海辺の生きもの. 367 pp. 山と渓谷社,東京.
 
小野篤司 監修,加藤昌一 編. 2009. ネイチャーウォッチングガイドブック ウミウシ 生きている海の妖精. 272 pp. 誠文堂新光社,東京.
 
鈴木孝男・木村昭一・木村妙子・森 敬介・多留聖典 2014. 干潟ベントスフィールド図鑑 第2版. 257 pp. 日本国際湿地保全連合,東京.
 

写真で見る生物の系統と分類真核生物ドメインスーパーグループ オピストコンタ動物界冠輪動物上門軟体動物門腹足綱異鰓亜綱

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