口腔上皮細胞の観察

はじめに
 ヒトの口腔上皮細胞は,絶えず剥がれ落ち,唾液の中に混じっています。このため,綿棒や割り箸などで頬の内側をこするだけで簡単に採取出来ます。簡易なDNA抽出,解析にも用いられる細胞です。
 
用意するもの
顕微鏡(1人1台),綿棒又は割り箸(人数分),スライドガラス(人数分),カバーガラス(人数分),ピンセット(人数分),酢酸オルセイン(1,2班当り1本),ケント紙(一人1枚),スケール用定規又はミクロメーター(各班1本)
*酢酸オルセイン…地衣類の一種から抽出した地衣成分オルシンを酢酸に溶かしたものです。核を染める染色液で,細胞の観察はもちろん体細胞分裂の観察や減数分裂の観察でも良く用いられています。酢酸カーミンよりも安価で手に入り易いことから,近年は酢酸オルセインが主流です。どちらかといえば酢酸カーミンで染めたものの方がはっきりと染まるように見えますが,実習で使う分には問題ありません。ただ,市販されている酢酸オルセインは,時間が経つとゴミが薬品瓶の底にたまり,染色した時にプレパラートがゴミだらけになってしまう事が良くあります。遠心機があれば実験前に酢酸オルセインを遠心(エッペンチューブなら15,000 rpmで10分程度)し,上清だけを使うようにしましょう。
 
観察手順
 
1. 口を十分にゆすぎます。
 
2. 頬の内側を綿棒か割り箸でこすります。
 
3. 採れたねばねばした液をスライドグラスに塗りつけます。
 
4. 細胞を酢酸オルセイン,アニリンブルー,メチレンブルーのいずれかを1滴垂らします。
*時間に余裕があれば染色せずに細胞を探してみましょう。
 
5. カバーガラスをかけ,4倍又は10倍の対物レンズで細胞を探し,ピントを合わせます。40 倍と倍率を上げて観察します。
 
細胞の観察
 
 
 染色していない生の細胞の顕微鏡写真です。タマネギと違い,染色せずに口腔上皮細胞を見つけるのは容易ではありません。初学者にとっては,ピントを合わせることすら出来ないことも良くあります。顕微鏡の絞りと微動ネジを使いこなす必要があります。
 
 
酢酸オルセインで染色した細胞です。
     
 
1.0% アニリンブルーで染色した細胞です。
 

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